シンプル・イズ・ビューティフル

シンプル・イズ・ビューティフル

これは昭和49年ころ、私の職場でさかんに使われた標語のようなものだった。大きなシステムをモザイク模様のように細かに分割して、1人1人がそれぞれを担当するという当時のコンピュータシステムの仕事にあって、一人ひとりの仕事をシンプルにすることがチーム全体のパフォーマンス向上に必要不可欠だった。しかし、求められる複雑な機能・高い性能を実現するためには必然的にシンプルとは真逆の仕事をしてしまうわけで、そこでこの"標語"が必要だった。

当時、E・F・シューマッハー(1911-1977)の『スモール・イズ・ビューティフル』が石油危機を迎えた時代にあって流行語のように受け入れられた背景があり、そこから着想を得たものと思われる。

さて、その「シンプル」だが、このホームページにおいても基本スタンスとして大切にしてきた。

時代は「ユーザビリティ」の真っただ中にあり、Webページをスマホで見るのが当たり前の時代になって、パソコンのディスプレイとスマホの画面を同時に意識した画面作りが求められている。そのギャップを裏方で吸収しようとして高度で複雑なツールの開発が進行している。しかしそんなツールを嫌う輩もいて、意地になって低レベルの言語でホームページを作ったりする。低レベルといってもツールには違いないわけで、今の時代ツールなしでシステムに触ろうなんて考えること自体に無理があると思う。さて、ではどのレベルのツールなら「シンプル」なのだろうか。

と、ここまで考えてどうやら方向がずれたことに気が付いた。「シンプル」とは画面構成のことであり、色使いやフォントや文章の簡潔さのことではないかと。

話しを画面に戻して、写真にとって細部のディテールやグラデーション、そしてボケなどはそれなりにデリケートな情報であって、大切な情報だと思う。だからいわゆる流し見の環境の中でそれらをしっかり伝達できるものでもないと思う。

結果、スマホ対策に二の足を踏むことになり、一見昔風の画面作りを続けることとなっている。この現状をいつまで「ビューティフル」と自画自賛できるかはわからないが、しかしビューティフルかどうかは自分で決めることではなくてサイトを見た人が決めることだ。